始まり

5/7
前へ
/209ページ
次へ
入学式を終えた新入生は、各教室に向かった。 (うう……教室に入りずらい) 御剣はそう思っている。 しかしいつまでもブルーじゃいられない。 ハイテンションにする事にした。 教室に着いた新入生は、個々の席についた。 先生の挨拶が始まって早々、御剣の左隣の生徒が話し掛けてきた。 「ねぇねぇどうして朝はいなかったの?御剣くん」 「どうして俺の名を?」 と驚く御剣。 「当たり前だよ、だって朝いなかったじゃん?」 朝いなかったのは御剣ただ一人、よって名前がわかるのも納得いく。 「確かに……いろいろあってな…それより君の名前は?」 「僕は濱って言うんだ濱翔麻(はましょうま)よろしく」 「あぁヨロシク!!」 濱との会話が終わったと思った瞬間。 今度は後ろのヤツが話し掛ける。 「そうだよ…どうしていなかったの?」 次は女子のようだ…と半分ブルー気味に後ろを向いた。 「先に名前を聞こうか?」 ふと体に電撃が走った。 「うーんと私の名前は冥地黄泉(めいじよみ)って言うんだよ、よろしくネ!!」 こめかみの辺りから伸びる髪は、クルクルとカールしてあり、髪が腰の辺りまで伸び、髪の色は茶色がかっていて、主観的にも、客観的にも、美しく、かわいいと思える。 そんな女子だった。 (かっかかか…可憐だ…) 御剣は一目惚れのような感覚に陥った。 「どうしたの御剣くん?」 ハッと我にかえる御剣。 「あー…ちょっと手違いがあってな…」 御剣は理由を話した。
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加