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其処には一人だけ、泉に入って行く人が見えた。遠くて、性別がハッキリ分からなかった。その行為を模倣する様に、泉に入ろうとしながら
「入るだけで良いの?」
光輝は、凛に言ったが凛はその言葉を遮る様に
「まだ入っちゃダメッ!」
と泉に入ろうとしている光輝に言葉で制止した。 ビックリした光輝は、泉から慌てて離れた。
「何故?」
「泉に二人以上入ると能力が相殺されたり、二つ以上の能力が一人のモノになって、取られた人は一生能力無しで生きる事になるからよ。」
「能力が無くても生きて行けるから、別に支障は無いんじゃ無いのか?」
と光輝は、素朴な疑問を凛に投げ掛けた。
「この世界では、能力の無いものは人間として扱われず、奴隷か慰みものとして生きて行く位しか無いのよ…」
何故だ?と光輝は思ったが、恐らくこの世界ではそれが当たり前の様になってて、説明は出来ないだろうと思い言葉を飲み込んだ。その時、後ろの泉が突然光り出した。
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