謎の男

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凛は、記憶を無くした光輝の為に世界の状況を知ってる限り教えた。 今自分達が居るのは、世界の下に位置する下弦と言う大陸だと言うこと。そして、他に[上弦][右弦][左弦]と言う合わせて四つの大陸が有ると言うことや、約50年前に謎の爆発が全ての大陸で起き、そして生き残ったのは、たったその時の全人口の4分の1に減ったと言う事。そして、生き残った全ての人間に特異能力が発現したと言う事等である。 「じゃあ、次の質問。凛は何故砂漠に居たんだ?」 光輝は、ずっと気になっていた疑問をぶつけてみた。 「砂漠の向こうにハーゲン国って言う国が在るの。そこに用事があって、通ったら光輝が倒れてたの。用事を取り消して、慌てて光輝を家まで運んだって訳よ」 なるほどと光輝は思った。 「凛の両親は?」 そう言った刹那、凛の顔が曇った様に見えた。だが、直ぐに凛は先程と同じ表情で明るく言った。 「両親は2年前に事故で無くなったの、だから一人で暮らしてるわ」 光輝は、触れてはいけない物を触れた様な気がして 「すまない…」 と頭を下げた。 「ううん、気にしなくても良いわ」 と凛は笑顔で言ったが、光輝には無理して作り笑いをしてる様にしか見えなかった。
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