248人が本棚に入れています
本棚に追加
凛は、記憶を無くした光輝の為に世界の状況を知ってる限り教えた。
今自分達が居るのは、世界の下に位置する下弦と言う大陸だと言うこと。そして、他に[上弦][右弦][左弦]と言う合わせて四つの大陸が有ると言うことや、約50年前に謎の爆発が全ての大陸で起き、そして生き残ったのは、たったその時の全人口の4分の1に減ったと言う事。そして、生き残った全ての人間に特異能力が発現したと言う事等である。
「じゃあ、次の質問。凛は何故砂漠に居たんだ?」
光輝は、ずっと気になっていた疑問をぶつけてみた。
「砂漠の向こうにハーゲン国って言う国が在るの。そこに用事があって、通ったら光輝が倒れてたの。用事を取り消して、慌てて光輝を家まで運んだって訳よ」
なるほどと光輝は思った。
「凛の両親は?」
そう言った刹那、凛の顔が曇った様に見えた。だが、直ぐに凛は先程と同じ表情で明るく言った。
「両親は2年前に事故で無くなったの、だから一人で暮らしてるわ」
光輝は、触れてはいけない物を触れた様な気がして
「すまない…」
と頭を下げた。
「ううん、気にしなくても良いわ」
と凛は笑顔で言ったが、光輝には無理して作り笑いをしてる様にしか見えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!