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この国は北極に割りと近いのだと云う。
オーロラも見れるし、白夜もある。
人口は日本の3分の1。
広さは日本の3倍。
ミタリア王国は国王が絶対権力を持つらしい。
『宝石の国』とも呼ばれ、国民はそれで生活している。
因みに石油国でもある。
要は棚からぼた餅国家だ。
ミタリア人を国から追い出した某国家は、未開の土地へ無理矢理押し込めたにも関わらず、気付けば裕福な国となり独立するまで時間は掛からなかった。
良かったね、ミタリア人。
「陽良子様?」
「背中痛い…女の子の身体を鞭で叩くなんて…死ねば良いのに…
…嘘です。この変態ドS執事」
陽良子は笑顔でヨハンから離れた。
既に鞭を手にしたヨハンが笑いながら構えている。
その姿はさながら鬼の様だ。
「鶏頭のくせに、私に楯突くおつもりで?」
「鶏頭じゃないです。楯突くんじゃない…これは一種の抵抗なんだ…変態ドS執事め、アタシは負けない…」
パシィィン!
ヨハンの鞭が床を弾いた。
「誠にスイマメー…すいませんでした…」
「分かれば宜しい」
変態!
ドS!
人としてあり得ない!
そう思いながらニコニコと笑う。
顔が引きつる…早くどっか行けよ!
「楽しみですね。陽良子様?これから貴女の傍で貴女の成長をずっと観察出来るのですから」
「…へぇ…………え?」
観察?
じゃない!
今コイツ「ずっと」って言いやがった!
陽良子に近付いてニッコリ笑うヨハン。
「そう、朝から晩まで…寝る時も…です」
「嘘だ!」
「大丈夫ですよ。ご心配なさらなくても、幼児体型の貴女を抱く程私は飢えていませんし、貴女を抱くくらいなら男に抱かれた方がマシですから」
輝く笑顔の向こう側にこの世の地獄が見えた気がした。
いや、待てよ…。
コイツ男に抱かれた方がマシだって言いやがったね。
「王子様に抱かれたい?」
「寧ろ喜んで犯しますが何か?」
「やっぱり変態なんですね!あぁ良かった。そっち側の人なら安心です!あー良かった良かった」
パシィィ!
狙われた『弁慶の泣き所』クリティカルヒット。
言葉にならない痛みに陽良子は悶える。
「ホント…もう…犯してくれて構いません…」
「断る」
「ですよねぇ…」
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