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『お孫さんの陽良子ちゃんはお料理が大好きなんだとか。見事な手付きで団子を丸めていますねぇ』
短い髪、陽に焼けた肌。
少女をボンヤリ眺めていた少年が突然ヨハンの方を向いて、ニッコリ笑う。
そして画面を指差して「あれにするよ」と告げた。
ヨハンは画面をチラリと見て、少年の言葉の真相を察する。
「かしこまりました」
「うん、決まった決まった。良かったね、ヨハン」
実際、良かったのかは分からない。
ヨハンに近付いてキスをする少年の考え等分かっているが、この犠牲となる少女は…。
まぁ、それは良い。
「ヨハン…彼女の教育、君に全て任せるから頑張ってね」
「かしこまりました」
華奢な身体をヨハンに託した少年。
可哀想に…この子は何も知らない。
可哀想に…今の内に精々可愛らしくヨガルと良い。
ヨハンは無表情でご主人様の身体を愛する。
雪が降って、辺りは静かだ。
この屋敷は檻だ。
私はずっと待っていた。
私は許さない。
青い瞳に映る少年は快楽に顔を歪ませている。
馬鹿な連中に復讐をする時が来た。
ヨハンは少年の首筋を強く噛んだ。
声を荒げた鳴き声に悪寒が走る。
醜い姿を映す瞳に紅い火が灯った。
『来週は海ヶ好海岸の美味しい幸をお届けしますよ~!いやぁ、何だかなぁ!』
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