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ダッダッダッダ…
少女は思いっきり走って崖の上から飛び込んだ。
「きゃーっ!」
ドボーン!
水しぶきを上げ、川に飛び込む。
蝉の鳴き声が一瞬で消える瞬間。
「ヒヨコーっ!私もう帰るからねー!」
友達の夏奈子が叫ぶと、川から顔を出した陽良子が「何てー!?」と叫ぶ。
「だからぁ!私は帰るからねーって、言ったの!買い物行くから帰って来いってお母さんから電話来たからー!」
「分かったー!」
夏奈子は崖の上に登り、柵を乗り越えて、停めてあった自転車に乗って走り出した。
手を振って別れた後で、夏奈子は陽良子の家の側を通り掛かった。
2台の高級車が停まっていて、ジロジロ見ていたら、一台が動き出し夏奈子の横を通り過ぎた。
「…何だろ…また旅番組?…まさかね」
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