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生きた心地が、まだしないまま、何への乾杯なのかわからない乾杯を済ませ、ずっと謝っている舞の頭を撫で続けていた。
「まーさー、あれだよ...結婚式前に秀ちゃんの愛情チェック!みたいな感じ?」
啓介の言葉に皆は笑っていたが、俺達二人だけは、こんな試され方をされて、笑うにも笑えないままだった。
「秀ちゃん!これからも舞の事...守って下さいね」
「舞は直ぐ我慢するから、無理させないで欲しいんです」
少ない言葉だったが、彩と凜の気持ちが伝わった。
きっと、結婚式当日だと話す暇も無いだろうし、きっと泣いてしまうから...と思って言ったのか、今でさえ二人の瞳は潤んでいる。
「約束するよ」
そんな短い返事にでさえ納得行く言葉になってしまう。
─舞にとっても、二人にとっても大切な友達なんだもんな...
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