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何かを察した彩が、いつもの冷静でしっかりとした口調で聞いてくれた。
『啓ちゃん。貴方の知っている事を全部話して。』
静まり返る部屋では、時計の秒針の音さえも、私の耳には騒がしく届く…。
ぽつりぽつりと話しを続ける声…。
話しの内容を理解しようとする頭と、怒りからなのか…絶望からなのか、さっきから震え続ける身体…。
真っ直ぐ啓介を見ているはずなのに、目の奥に焼き付いて離れない、さっきの秀一の姿…。
私は、気付かない内に眠ってしまったらしい……。
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