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翌日―
いつものようにレコーディングに向かう俺は、昨日までの自分とは違う事に気づいていた。
皆と顔を合わせ、舞の風邪の具合を聞かれても、「大丈夫」とだけ答え、終始笑顔の自分がいた。
そして昨日の埋め合わせをする為に、今日は俺から皆を誘う。
「なぁ、飲みに行く?」
「わー、秀ちゃんから言うのって珍しー、行く!行く!」
「ホントだよ...余程良い事があったのが見え見えだな。よし、今夜も飲むか!」
2人は嫌な顔ひとつせず、何でもお見通しな感じで了承してくれた。
その日、時間が過ぎるのがとても早く感じた。
そして片づけ始めた時、マネージャーが入って来た。
「お疲れさーん。えーっと、シングル以降の予定が決まったんだが...
5月、ベストアルバムを出す事になった。
それで...えーっと、8月、武道館で15周年のライブをやる。以上」
「「「えっ??」」」
「ん?不満か?」
「いや...急に言われたから...」
「アハハハハ。武道館の話しだろ?
これはお前達のこの間のツアーが始まる頃には決まりかけていたんだよ。
まだ日程の調整が出来ておらず、今日の決定になったわけだ。
だから、頼んだよ!初の武道館。」
マネージャーはそれだけ言うと、また足早にこの部屋を出て行った。
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