蕾

ゴールに向かって...

｢素敵...｣と涙目で言う担当者の後ろから、NYにも同行した撮影スタッフがやって来た。

「大野君、おはよう」

「おはようございます。今日は宜しくお願いします」

「任せてよー」

式場の担当者とも軽く挨拶したスタッフ達は、機材の準備と、式場内での撮影スポットを探し始めた。

この10年。全ての撮影を任せて来た、信頼しているスタッフ達に、何か注文を告げるつもりもない俺は、そのまま舞の着替えが終わるのを待っていた。

それからしばらくして、俺自身も着替える事となり、着替え終わった俺は、部屋から出る為、扉を開けると、正面の扉もそっと開いた。