『D・T』

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 僕は悠にAVを渡し、僕らは別れた。これはいつもの慣習となっている。借りたAVを早く見たい。これは僕と悠、共通の願いである。僕は自転車を鬼こぎして、家路を急いだ。秋の風が心地良く、僕の頬を過ぎて行く。家に着いた僕は、真っ先に自分の部屋に行き、カーテンと窓を閉めきった。部屋は薄暗くなっている。ここで僕だけのビデオ鑑賞会が始まる。僕はまだ女性の経験がない。いわゆるD.T.。すなわち童貞である。今までチャンスがなかったわけではない。女と付き合った事もある。しかし一歩が踏み出せなかった。いやもしかしたら彼女に僕の下心が読まれていたのかもしれない。その時こんな事があった。
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