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「ありがとう。ねぇ、ゲームって何?だいたいここ、どこなの?」
「ゲームはただのクイズよ。ここは私の国だって言ったでしょう?」
彼女に聞いたのに、答えたのはクイーンと名乗る女性。先ほどと打って変わって冷ややかな口調と視線
が私に返ってきた。
彼女の視線に、私の背中に冷たいものが走った。
「私が先にやります。」
私が押し黙っていると、彼女が一歩前に出て、クイーンにそう言った。
「そう。いいわ。貴方からね。」
クイーンの視線が彼女に移動した。
いままで何かが縛ってたような私の体は、それによってやっと解放された。私はへなりと座り込む。
「それじゃあ、いくわよ?夢を喰らうとされている動物は何?」
あ、それ私知ってる!
「バクだ!」
思わず口がついて出た。
それにクイーンと彼女が反応して私を見る。
二人の驚いたような顔。私が横やりを入れちゃいけなかったのかな?
慌てて私は口を塞いで二人を交互に目を泳がせる。
「……正解よ。ふふ、問題は貴方に出したけれど、答えたのは貴方。」
クイーンが彼女へ視線を投げ、その後私に戻してきた。
「一つの正解につき、ここを抜け出せるのは一人。どちらか一人、さあ、決めなさい。」
クイーンは言う。どちらかが、後一問答えなければならないのだ。
先ほどのような質問なら、また答えられるだろう。
それに、彼女の問題を横取りしてしまうのは、いかがなものか……。
答えはすぐに出た。
「私がもう一度クイズに答えるわ。」
私は立ち上がり、胸に手を当ててそう言った。
「そう。なら貴方に問いをかけるわ。貴方は先へ進みなさい。」
私に笑みを向け、クイーンは彼女にある一転を指して、行くように促した。
彼女はこくんと頷き、私を背にして指差された入って来た場所とは違う穴へ姿を消す。
残ったのは私とクイーン。クイーンは彼女が姿を消すのを見送った後、私へと向き直った。目が大きく
はっきりと見えるような化粧、少し怖いという印象を覚えた。
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