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どうしたらいいの?どうしたら……。
心臓はまた悲鳴を上げて、胸はぎゅっとしめつけられた。
「……や、いや……。」
それしか言葉が出なかった。言ってはいけない。けれど、言わなければ終わらない。その葛藤の繰り返し。
そして、クイーンの視線にしばられたような恐怖。それが私の腕を震わせた。
「後五秒待ってあげる。5、4、」
クイーンが私に宣告した。5秒を過ぎたら何かが起きるっ!そう思った。だけど、唇まで震えが言ってしまい、上手くしゃべることはできない。
何か、何かよくない、怖いことが起きる。私の頭がそうやって警告を出しているのに……。
「3、2、1……。」
クイーンの瞼が一度見開かれて、半分近くまで落ちた。その半分開いた目が、異様に恐かった。冷たい印象を受けるその目。
クイーンが口をゆっくりと動かした。
「ゼロ。」
私はガクンという感覚に見舞われた。足が地面につかない。視界は一気に真っ暗闇。落ちた。
落ちる瞬間、視界の片隅でクイーンの愉しそうな笑みを垣間見て、ぞっとした。
私は、暗闇に落ちる、オチル。
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