第二話夢の罠

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これは私"洋子"には聞こえない話。 クイーンと彼女が話している話。けれど私"洋子"がどこかで知っている話。 「今日も駄目だったのね、クイーン。」 彼女がクイーンに話しかける。 「強情なのよ。言えばすぐに楽になってしまうのに、いつまでも認めない。洋子、貴方を。」 クイーンは言った。半目の状態で彼女を見ながら。 「認めたら、私が彼女になれるのに。」 「ふふふふ。」 彼女の言う彼女。それはきっと私。もし、彼女が私になったら、私はどこへ行くというの? 「愉しそうね?」 「ふふ。愉しいわよ。なんて言っても、悪夢は私の最高の食事ですもの。」 クイーンの愉しそうな笑みに彼女は冷たい視線を送った。まるで、一緒には笑えない。そういう風に。 「そうだったわね。貴方は悪夢を食らうもの。相手に悪夢を見せるのが仕事。」 「そうよ。さあ、あの子に恐怖を植えつけて、今度こそ言わせるわよ?」 そこで会話は途切れた。私が知っているのはここまで。そう、どこかで知っているのは、ここまで。
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