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「だーかーらー、今度は本当面白い話なんだってば!」
放課後、大きな声で騒ぐのは高橋 明(たかはし あき)ことあーち。それを呆れ眼で見るのは工藤 両也(くどう りょうや)。彼は短く切りそろえた黒髪に、鋭い眼球を持つ。グループ内ではクール、あーちの歯止め役となっている。
「あーち、それで何度目だよ?お前の話ってさ、毎度根も葉もないくだらないうわさばかりじゃないか。」
「いいじゃない。面白そうだし話してみれば。」
両也の言葉に割って入ったのは仕切りや富田 かずみ(とみた かずみ)。彼女は黒茶の髪を一つに結び、眼鏡かけ、まさにキリっとした雰囲気をかもし出している。ただし、彼女は面白いことには目がなかった。だから、あーちの話にも興味深々というように食いついたのだ。
両也は彼女の言葉に肩を竦めた。かずみがそう言ってしまえば、あーちはもちろんのこと他の二人でさえ反論するわけがなかったから。
一人は大人しい性格の女の子木崎 学(きざき まなぶ)。長い黒髪を一つの三つ編みで収め、おっとりとしたたれ目でみんなの様子を見ていた。
もう一人は、一人カードをいじりながら耳をヘッドホンで覆い、音楽を聴いている。長めに髪を伸ばし、多少クリっとした猫のような目を持つ彼は織田 完児(おだ かんじ)。気が乗らないことはとことんしないが、気に入れば熱中するタイプだ。
「じゃあ、話すね!カン、話するから聞いてよね!」
なお、織田完児はカンと呼ばれている。あーちがカンに対して大きな声を更に大きくし、自分の意思を伝えた。カンはしぶしぶというようにヘッドホンを外した。
あーちはカンの行動に満足そうに笑むと、人差し指を前に突き出し話し出した。
「いい?これから話す話は、聞いたら最後。聞いた人にも"ソレ"が起こっちゃう話なの。」
「デマだな。」
「なんっで、両ちゃんはそう決め付けるの!?」
両こと両也の横槍に、あーちは頬を膨らませた。水を差されたのがそうとう嫌だったらしい。しかし、両は冷静に言葉を返した。
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