第一話開かずの扉

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「それでね、私達もオバケになってみよう!って!」 「えぇ、好きな幽霊、妖怪、お化けでコースがわかれているので。皆さんはどんな幽霊、妖怪、お化け がよろしいですか?」 莉奈ちゃんの言葉に、補足を付け加えるワカさん。ワカさんは説明を加えると、全員を見渡し問いかけ た。それに翔也と縁、莉奈ちゃんが答える。 「俺、ケンタウロスがいいな!カッコイイしさぁ。」 「私、人魚がいいわ!綺麗な私にぴったり。」 「あたしは、髪の毛が伸びる人形!皆のびっくりする顔が見れるよ、きっと!」 どうやら、三人ともやる気満々。目を輝かせて、それぞれなりたいものを所望する。僕はそういうの聞 きたくないタイプだから全然わからないし、特になりたいものもない。 僕は黙ってその場に立ち尽くしていた。ワカさんが視線を僕で止める。 「貴方はどうしますか?」 「僕……?」 「忍は何がいいの?狼男とかどう?」 僕はワカさんの質問戸惑い、押し黙ってしまう。内心悩んでいると、縁が何かを勧めてきてくれた。そ れでも僕は、何かになること事態に気が乗らなかった。僕は首を横に振る。 「うーん、僕はいいや。特になりたいものもないし。」 「……決めていただかないと、ゴールへは連れて行けない規則に成っておりますゆえ。何か決めていた だけないでしょうか?」 ワカさんが僕と同じ様に額に皺を寄せた。困っている。仕方なく僕は顔を落として考えた。皆がいろい ろな名前を出してあれはどうだ、これはどうだと勧めてくれる。 しばらくして、僕は顔を上げた。 「ごめん。やっぱり選べないや。」 僕の答えに、三人は口々に文句を言う。そりゃあ、せっかく勧めてくれたのにそんな答えじゃ文句も言 いたくなるよね。はは。でも、本当に気が乗らないんだ。なんだかとっても気が乗らない。 「わかりました。それでは、翔也さんはあの赤い入り口に。縁さんは青い入り口に。莉奈さんは緑色の 入り口にどうぞお進み下さい。」 ワカさんは僕の答えを聞くと、仕方なさげに他の三人を案内する。奥でワカさんが言ったそれぞれの色 が光りだした。どうやら光の先に入り口があるらしい。
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