1783人が本棚に入れています
本棚に追加
公園に着いた俺はいつものように年上グループを探したが、未だ来ていないようだった。
遊んでいる子供もいなければ、万年無職のマダオもいない。
完全に、俺一人っきりである。
珍しく静かな公園に少し戸惑いを覚えながらも、俺は誰かが来るのを待ってみることにした。
ブランコに腰掛け、軽くこいでみる。
キィキィという鉄同士が擦れる音が、公園の中に木霊した。
(だれか、こないかなぁ)
体を揺らしながら俺は待った。
退屈もあったが、誰も来ない事に不安を覚えたというのもあったのかもしれない。
風の音が、公園の静けさを際立たせる。
普段賑やかな公園に訪れた静寂は、妙に居心地の悪いものだった。
最初のコメントを投稿しよう!