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しばらくブランコに座りぼーっとしていると、新しく出来た友達の顔が浮かんできた。
会いたい、と俺は切にそう思った。
せっかく知り合えた新しい友達と、この暖かい時間を共有したい。
それに、一人で遊ぶなんてつまらない。
幼き俺の中で、その気持ちはどんどん膨らんでいった。
「あのこといっしょに、あそびたいなぁ……」
俺は思わず一人ごちる。
だがそんな期待とは裏腹に、公園には友達どころか猫一匹すら現れなかった。
淡々と、自分一人での時間が過ぎていく。
どうして誰も来ないんだ、と考えてみるが、理由など幾らでもあるだろう。
遊び場は公園だけではないのだ。
俺はがっかりと肩を落としながら、溜め息を吐いた。
それから暫く待ち続けてみるも、やはり誰一人来ないまま時間が過ぎた。
これ以上待っていても、誰も来そうにないのは明らかだ。
空は赤く色付き、風も冷たくなり始める。
ふと時計を見てみると、四時を回っていた。……俺は一時間以上もこうして待ってたのか。
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