プロローグ

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その後は何事もなく、無事に入学式は終わった。 結局、式の内容は殆ど記憶に残らなかったが、次のHRで新しい友達も出来た俺は心から笑っていた。 この新たな友達との出会いが、俺の後世にかなりの影響を与える事になるのだが、それはまた別の話だ。 「じゃあ、帰ろっか?」 いつまでも友達とお互いに手を振り合っていた俺は、手を下ろして頷いた。 「よかったね、お友達ができたじゃない」 母さんが笑ってそう言った時、俺は安堵に似た気持ちを覚えた。 俺は、心配をかけなかったんだ。泣いてもない。 私は一人で出来るんです。貴方とは違うんです! 最後のは嘘だが――そう思うと誇らしい気持ちになり、母さんに笑みを返した。 その後家に帰り着くと、疲れからかすぐに寝てしまった。 余談だが、俺は中学の入学式も全く覚えていない。 入学式で爆睡というのも、珍しいのではないだろうか。 とにかく中学の入学式は寝て過ごしてしまった。 入学初日から先生に怒鳴られたもんだ。
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