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また由宇に拒絶されるのが怖くてつい手が微かに震えてしまう。
それに気づいたのか由宇の視線がゆっくりと上がり、そして頬に触れる俺の手にソッと重ねてきた。
あまりに突然の由宇の行動に俺は信じられなくて動揺してしまう。
でもその由宇の指先も微かに震えているのを感じ、俺はすぐに由宇の指に自分の指を軽く絡めた。
指先に……
由宇に触れる部分全部に……
---意識が集中する。
そしてゆっくりと顔を上げ俺を見てくる由宇を俺は反らすことなく見つめ返した。
まさかの展開に俺の鼓動は高鳴り速まり続ける。
こんな風に静まり返った教室で二人きりで見詰め合っているともうここが二人だけの空間のよう感じてくる。
---そう錯覚してしまいそうになる。
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