1セントの弾丸

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1セントの弾丸

――この街はいつもの様にご機嫌な街だ。  酒場には賞金稼ぎに、アウトローがひしめく。  ここに住む餓鬼にとっては、銃声が子守唄みたいなもんだ。マフィア等の縄張り争いも日常茶飯事。警官が薬をキメるのは当たり前。連中は何が起きても知らん顔。むしろ、この街に住む警官は皆、どこかしらの勢力の息が掛かっている。  俺か?  俺もケチな賞金稼ぎの一人だ、まあ、少しは名を知られている方だろ。  俺は行きつけの店に行き、いつもの様にこう言った。 「バーボン」 「ツケ払え」  間髪入れずに店のマスターにこう言われるのも慣れた。  ああ素晴らしき糞溜めな街。  今日もご機嫌な一日の始まりだな。
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