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ゆり達の通う高校は"総合学科"といって、自分で好きな授業を選択出来るという変わったスタイル。
もちろん必修科目の体育等はあるが、他は食物系や商業系等専門教科がほとんど。
その為、卒業したら7割の生徒が進学せず就職する。
もちろんゆりも卒業したら就職するつもり。
東京でアパレル関係の仕事をするのが夢だった。
「ゆりー!遅れてごめん!!待ったよな?」
「隼人!遅いよバカ。」
ゆりは基本わがままな女王様。思った事はすぐに言葉にしてしまう。
「ごめんって!あ…電車の時間やばい。ゆり走れる?」
「えー…。や…っ?!」
隼人は返事を聞く前にゆりの手を掴み走り出してしまった。
『ピー!!!
扉が閉まります。無理なご乗車は…』
「危ねぇ。ギリギリセーフ!なっ!ゆり?」
「はぁ…はぁ…」
苦しい…。
息が切れて上手く話せない。
それにもとはと言えば隼人が遅れて来たせいで走る羽目に…。
「…ゆり体力ないんだよね。朝から走らせるとか…本気で嫌なんだけど。」
不機嫌なのは十分伝わっただろう。
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