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「…ごめん。明日は絶対遅れないから…」
そう言って隼人は掴んでいた手を離した。
ゆりの家から学校まで途中電車に乗って大体30分程度。
最寄り駅も自宅から徒歩5分もかからないから待ち合わせに遅れる事はほとんどない。
…そう言えば。
隼人ってどこに住んでるんだろう…。
知り合って1年以上経つのに、ゆりは隼人の事ほとんど知らないかも…。
「隼人。明日遅れたら次は許さないよ?」
その言葉を聞いて隼人は安心したのかいつもの笑顔に戻った。
「そう言えばさ、隼人の家ってどの辺なの?ゆりの家から近い?」
「ん?家はA町!めちゃくちゃ田舎!」
「ふーん。…って!え?A町?!」
ゆりが驚くのも無理はない。A町は駅から車でも30分以上はかかる。
「かなり遠いじゃん。駅まではどうやって来てるの?」
「今日はバスで乗り継いで。いつもはそのまま学校付近に行くバスだから、今日は迷っちゃって」
「…。」
という事は…。
いつもより遠回りして学校に行ってるって事?
ゆりと一緒に学校行く為に?
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