ゆりと隼人

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  「明日からはいつものバスで行った方が良いんじゃない?学校まで遠いし…第一お金も倍くらいかかってるでしょ?」   ゆりにしてはめずらしく相手を気遣ったつもり。  それに学校に行けば会えるんだから登下校まで無理して一緒じゃなくても良いと思う。   「ね?学校ではいつも一緒なんだし」   笑顔でそう言うと隼人は少しスネた顔をした。   「隼人?」   「だって……学校は皆いるじゃん。2人きりとか登下校くらいでしかなれないじゃん…。」   言い終わる時には顔を真っ赤にして下を向いてしまった。   「隼人って…ゆりの事好きなんだねぇ…笑」   ゆりは真っ赤になった隼人にそう言うと、何だか可笑しくなって笑ってしまった。   隼人は思った通り、優しくて、一途。   ゆりみたいな我が儘な子のどこが良かったんだろう。
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