ゆりと隼人

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  「えー今日の1、2時間目の総合HRでは前から言っていた通り、文化祭の出し物についてだ。委員を中心に進めてくれ。決まり次第俺に報告しに来てくれ、以上。」     それだけ伝えると担任はさっさと職員室に戻ってしまった。   総合学科というのは同じ時間帯にいくつもの授業が行われている事が多い為、1人で2~3クラスの授業を行うこともある。   まあ生徒にしてみれば先生がいない間は自習なので、席を移動したり話したりと自由な時間を過ごしていた。     「もうさー、出し物劇で良くない?」     そう言ったのはさえだった。さえは基本面倒くさがりな性格だし、出し物について考えてるなんて驚きだった。     「どしたの、さえ。めずらしいね。でもゆり劇とか嫌だよ?」     「どうして?」     理由なんてないけど… だって劇なんて面倒じゃない?
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