あつい日

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近くの川まで5分程歩く。人が殆どと言っていい程通らない。 街に、自分がたった一人になった気がした。別に心細いとは思わない。むしろとてもいい心もちだ。 川は燦然と流れている。ザバザバと遠慮なく流れる水達に嫉妬を感じながら、川沿いをのんびりと歩く。細い足が、腕が、ふわりと夏の風に浮く。 例えば雄大な海というベッドに、体を全部預けたみたいに亜紀は素晴らしくリラックスしていた。 「夏だ」 突然後ろから声がしたので、亜紀は驚いて肩を震わせた。 声があまりに近かった。
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