あつい日
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しかし自分に話かける様な人間など亜紀には存在しない。 亜紀は一度止めてしまった足を、どうする事も出来ず困りはてた。 何も無い事にしてまた新しく足を踏み出すには、亜紀はあまりにも小さく、子供であった。大人と言うものは、無い事にするのがとても得意なのだ。 「夏がいる」 もう一度、同じ主が発した声は成熟はまだしてないであろう男の子だった。やはり声が近い為、今度は思い切って顔を向けてみる。
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