あつい日

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素晴らしく端正な顔立ちをした、中学生位の男の子だった。目は一重で、唇も薄い。彼はにこりと笑った。微笑んだだけだったが、亜紀には不気味な笑顔に見えた。 「私に、話かけたの」 うまく声が出なかったが彼は聞き取れたらしく 「そうだよ」とあの声で言った。 「何」と亜紀は顔だけで言った。「べつに。夏がいるなぁと思って」 「夏?」 「君の事だよ」 「私が、夏なの?」 ゆったりと、頷く彼。
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