散花 1

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ここは『政府』が廃棄した物たちの寄せ集めらしい。 謂わば、ガラクタ。 だから、『ゴミ』。 それでも、ここには可能性が眠っている。 何か新しいモノが作れるのではないかという可能性が… 「どう…?できそう…?」 「わからない。というか、今は無理だ」 『知識』がない。 これをどうやって動かしたらいいかという『知識』が… だけど『資源』はある。 それは山のように…。 「今は無理だ。…だから、調べる。動かせるよう、やれることからやってみる」 「…本当!?」 このはは、嬉しそうに俺を見上げた。 この街がうろ苦かもしれない、ということもあるだろう。 だけど、それだけではないと思う、この嬉しそうな顔は… 俺はこのはが望んでいるであろう言葉を口にする。 そうすればきっと… 「だからこのは、俺も、ここに住んでもいいか?」 「もっちろん!!」 ほら、嬉しそうに俺に飛びついてきた。 もう、独りじゃない。 これからは二人だ。 独りが一人となり、二人になった。 そして、その数はのちに四人に増える。 小さな少女。 俺を見つけて、暗い水底からすくい上げてくれたのは、このは。 愛おしい、と思える家族が出来た瞬間だった。
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