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ここは『政府』が廃棄した物たちの寄せ集めらしい。
謂わば、ガラクタ。
だから、『ゴミ』。
それでも、ここには可能性が眠っている。
何か新しいモノが作れるのではないかという可能性が…
「どう…?できそう…?」
「わからない。というか、今は無理だ」
『知識』がない。
これをどうやって動かしたらいいかという『知識』が…
だけど『資源』はある。
それは山のように…。
「今は無理だ。…だから、調べる。動かせるよう、やれることからやってみる」
「…本当!?」
このはは、嬉しそうに俺を見上げた。
この街がうろ苦かもしれない、ということもあるだろう。
だけど、それだけではないと思う、この嬉しそうな顔は…
俺はこのはが望んでいるであろう言葉を口にする。
そうすればきっと…
「だからこのは、俺も、ここに住んでもいいか?」
「もっちろん!!」
ほら、嬉しそうに俺に飛びついてきた。
もう、独りじゃない。
これからは二人だ。
独りが一人となり、二人になった。
そして、その数はのちに四人に増える。
小さな少女。
俺を見つけて、暗い水底からすくい上げてくれたのは、このは。
愛おしい、と思える家族が出来た瞬間だった。
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