少女は行く。

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私は、なんのために― 「いやぁ、おしかったですねぇ、城崎さん。いつも当店をご利用為されているので、取っておこうかとも思ったんですが、いや我が店舗は平等をモットーに商売に励んでいるので、いやすみません」 「じ、じゃあもう‘秘密の暁様特集初回限定版’はないと…?」 「はい、その通りでございます」 にこにこと営業スマイルをむけてくる店員に怨みの念を送りながら、私こと、城崎美咲は店を後にした。 後ろからは、ありがとうございましたーと、店員の元気な声が聞こえて来た。 あー。 北風が寒い。 先程までは町を包んでいた幸せな空気は今や陰惨としていて、もう核戦争の後、みたいな空気になっていた。 何故だ…
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