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「剣士朗さまぁぁぁ!どこですかぁぁ!!」
「あぁん、今日も逃げられちゃったぁ…」
「一目見て、お声が聞ければそれだけでよかったのに…」
女の子の大群が散り散りに解散していく様を、剣士朗は男子トイレの窓からコッソリ見ていた
毎朝毎朝、よくもまぁ懲りずに追いかけてくるものだ
最近は他校生や社会人まで校門の手前までくる
まぁ、顔良し、頭良し、性格も良し、で剣道部主将の生徒会長だから仕方ないんだけどね
黒ぶちメガネの奥から鋭く光る漆黒の瞳
筋の通った高い鼻にキラリと光る白い歯
185あるスラリとした長身に爽やかな短髪
「完璧すぎる…」
剣士朗は鏡に映る自分にハァと思わずため息がでた
時計を見ると、まだ始業まで時間があった
追いかけられて早くついてしまったからな…
剣士朗は個室に入り、フタを閉じたまま便器に腰を降ろした
一服でもするか
剣士朗はポケットからタバコとライターを取り出した
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