4月

21/23
前へ
/197ページ
次へ
「何よ血相変えて。俺が本当に言いふらすとでも思ったの?」 「…えぇ?」 智明は剣士朗の顔を見て笑う 「安心しなさい。俺、喫煙者には優しいから。今のご時世、喫煙者には肩身の狭い世の中だからねぇ~…頑張って生きようや」 智明はヘラヘラと笑いながらトイレから出ていった 剣士朗は鳩が豆鉄砲くらったような顔で、その場に立ち尽くしていた …なんなんだアイツは 本当にバカなのか? というか… 弱味を握られたことに違いはない この俺…先生からも生徒からも完璧な優等生、直江剣士朗がトイレで喫煙だなんて…あってはならないんだ あんなことを言ってはいるが、いつ誰に言うかわからない マズイところを見られた… あのサル野郎… いまに見ていろ…
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加