5月

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「おい、てめぇ、どけって、消えろよ」 「貴様が消えろ」 駅から学校までの道を智明と剣士朗が肩をぶつけ合い、ギラギラと睨み合いながら歩く その三歩前を菜摘が逃げるように早足で歩く 最近ではこの図が、毎朝のお決まりとなってきた 頼むから…私から離れて… 菜摘は祈りにも似たような思いでため息をつく 「なっちゃぁん!待ってよ~!コイツどうにかしてぇ!」 「だから菜摘さんと呼べと言っている!!なれなれしいヤツめ!!」 知るかっ!! 二人とも消えろ!! 菜摘は声に出さず毒づき、無視して歩く足を速める 「なっちゃん!」 「菜摘さん!!」 うるせぇぇ!!
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