5月

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逃げたくても目の前の信号が菜摘の足を止めさせる 「剣士朗さまぁぁぁ!!」 後方から黄色い声の集団がせまってくる 「しまった、今日はまた一段と早い登場で」 剣士朗は信号が青になると同時に走って逃げ出した 菜摘と智明はぼぅっとその集団と剣士朗を見送る これももうほぼ毎朝のお約束になってきた 集団が通り過ぎた後の横断歩道をゆっくりと歩きだす 「そうだ、なっちゃん!なっちゃんは今度のクラスマッチ何に出るの?」 いつの間にか智明が隣にきて顔を覗きこんで尋ねてきた クラスマッチ… そういえばそんな行事がせまっていたな… 菜摘はしばらく無視して歩いた 「なっちゃんてば!あ、なっちゃん運動できなさそうだよね~?もしや補欠?」 ………… このガキが、ぶちまわしてやろうか
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