5月

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「ん…?てか…なにこの自販機!?全部売り切れ!?」 智明はボタンを押そうとして、全てのボタンが赤く光っていることに気付いた 丸く光っているのではない 「売り切れ」と光っている 「ありえねぇ~」 智明は自販機をつかんでガタガタと揺らす 「公共の物に乱暴するのはやめたまえ」 ふいにイヤミったらしい低い声がした 智明はさらに不機嫌になる 「なんだよ…ストーカー生徒会長」 振り向くと剣士朗がビクッとして周りを見渡す 「ストーカーではない!それを言うなら貴様こそがストーカーだろう!」 「俺はなっちゃんの登校フレンドでぇす」 「勝手に決めるな!だいたい、上杉菜摘は僕が随分前から目をつけていたんだ。後から出てきてなれなれしくするな。はっきり言う。上杉菜摘から手を引くんだ。さもないとこの学校に居づらくなるぞ」 剣士朗は真っ直ぐに智明を見つめて言った コイツ…俺を威嚇してんのか? しかし、智明も負けじと睨み返してドスのきいた声を腹の底から出してやった 「…やだね」
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