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「今からの決勝、正々堂々と戦ってもらうためだ。僕が飲もうと思っていたが、貴様にやる」
「は?お、おいっ!」
剣士朗はそう言って強引に紙コップを智明に押しつけると、スタスタと歩き過ぎていった
正々堂々と戦う?
まさか決勝の相手って…
智明は紙コップを握りしめて、剣士朗の後ろ姿を見つめていた
威張り散らしてて、なっちゃんに執拗に執着してて、なにやら影で悪いことやってるみたい嫌な奴だけど…
案外いい奴なのかなぁ…
智明は複雑な気分で紙コップの飲料に口をつけた
「智~!わりぃ待った?てか決勝まだ?」
トイレから祐介が出てきた
「もうすぐじゃね?」
「あ、ズリ~!俺にも飲ませろ!」
「あ、バカ、俺がもらったのに!」
半分くらい飲んだところで祐介にコップを奪われ、祐介が残り全て飲み干してしまった
「プハ~、なんだか不思議な味!コレ何?」
「なんだろうな?アクエリアスか何かそこらへんだろ?」
「ふ~ん…」
そんな会話をしながら智明は祐介と一緒に体育館へと戻った
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