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菜摘は仕方なく、言われたとおりに体育館に向かった
真田さんって、可愛くて優しくて…本当にイメージ通りの人なんだなぁ…友達だったら素敵だろうなぁ…
いやいや!私には友達なんかいらないんだ!!第一、あんなイイ人、友達になれるはずがない…だって私は…
菜摘はフゥと一息ついて体育館に入った
キャァァァ
ワァァァァ
体育館に入るなり大きな歓声が館内に響いた
うるさいなぁ…
あぁ、確か卓球の決勝だっけ
二年生対決とか…生徒会長と茶髪とか言ってたような…
菜摘はだんだんと嫌な予感がしながらコッソリ中をのぞいてみた
ゲッ
やっぱり
たくさんのギャラリーに囲まれた卓球台には、毎朝毎朝拝まされている顔が二つあった
「剣士朗さまぁぁぁ!頑張ってぇぇ!!」
「剣さまぁぁぁ!!」
「智明ぃぃぃ~やっちまえ~!!」
「智先輩!!会長なんかやっちゃえ~!!」
「まぁ、なんですって!下品な一般男子が!」
「んだと!男に媚びるだけのメスブタどもが」
キャァァァ
ワァァァァ
体育館は黄色とどす黒い歓声に包まれていた
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