5月

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菜摘はメガネがないため、ぼんやりとしか見えないが、確かに智明と剣士朗が卓球台をはさんで睨みあっているように見える この二人ってなんかの因縁があるんだろうなぁ… 菜摘はそんなことを考えながら体育館の一番すみっこにポツンと座りこんで、遠目に卓球台を見つめていた 「上杉さん、こんなとこにいたの」 ふと話かけられて菜摘は振り向く 振り向くと三花が優しく笑いながら菜摘の横に座った 「トイレ、全部見てみたけどなかったよ…教室も…職員室に聞いてみたけど届けられてなかった…ゴメンね」 三花は残念そうにうつ向き謝った 「いや…!真田さんが謝ることじゃ…」 菜摘はオドオドとうつ向く三花に何回も何回も頭を下げる 三花の肩がわなわなと震えている えぇ!?そんなたがが私のメガネのためにそこまで落ち込まなくても…!! 「…プッ」 「…え?」 「フフフ…アハハハ!」 三花は肩を震わせながら笑い出した
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