149人が本棚に入れています
本棚に追加
「上杉さん、そんなオドオドしなくってもアタシは取って食ったりしないって!」
三花はケラケラと面白そうに笑う
菜摘はポカンと口をあけたまま三花を見つめていた
「あ、その顔!いつも下ばかり向かないで、今みたいに顔あげてればいいのに」
三花は優しく笑って菜摘に言った
思わず菜摘はカァっと顔が赤くなった
「あ、こんな遠くだったら卓球見えないでしょ?もっと近くに行こう!」
「え、あ、いや…あの…」
あの二人には会いたくないんですけどぉ~!
三花は強引に菜摘の手を引いて、人ごみをかき分けて卓球台のそばまでやってきた
「二年生同士なんだね!あ!あの人って生徒会長じゃん!運動もできるんだ!すっごいね!」
三花は剣士朗を指差して大声で言った
三花の声は高くよく通るため、気持ち良いくらい体育館に響いた
そんな大声出したら気付かれるって…
「…菜摘さん!」
案の定、剣士朗が菜摘に気付いた
うわぁ…言わんこっちゃない…
菜摘は慌ててうつ向いた
最初のコメントを投稿しよう!