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「菜摘さん!あと一点で私の勝ちです!見ててください!」
剣士朗が嬉しそうに菜摘に言う
へぇ~そうなのか
アイツ、教えてやろうかとか生意気なこと言いながら負けてんじゃんか
菜摘がそんなことを思いながら剣士朗の反対側を見ると、ぼんやりとだが、智明が苦しそうに立っている
「…ハァ…ハァ……なっちゃん?」
なんだか声も苦しそうだ
「智明どうしたんだよ!さっきまで大差つけて勝ってたのに!」
「さっきの調子はどこいったんだよぉ!頑張れよ智明!」
智明サイドの男子生徒が叫ぶ
「…なっちゃん、俺もうダメかも…」
苦しそうな声がかすかに菜摘の耳に届いた
「上杉さん知り合い?この子、ウワサの転入生でしょ?」
三花が菜摘にたずねる
「いや…知らない…」
菜摘はうつ向いて小さな声で答えた
「そうなの?なんか上杉さんに話しかけてるみたいだけど…てか、大丈夫かなぁ転入生…なんかキツそうだよね」
三花が智明を見つめて心配そうに呟いた
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