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智明の顔が一瞬にして輝きを取り戻した
「…頑張る!!」
菜摘に向かって最高の笑顔を放ち、小学生のように嬉しそうに叫んでラケットを構えた
「今さら頑張っても遅い!決着つけてやる!」
「言ってろ!必殺、殺人サーブ!!」
智明はギラリと目を光らせて、素人ととは思えない手さばきでサーブを打った
「!!!!」
一瞬の出来事だった
智明の放った、必殺殺人サーブは、剣士朗側の卓球台をワンバウンドし、それは凄まじい勢いで剣士朗の口に飛び込んだ
あまりの速さに剣士朗も追いつかず、空振りをして口にピンポン玉をくわえた状態になってしまった
……………
アーハッハッハッハ!!!
ギャラリーはみんな大爆笑
審判も腹を抱えながら智明側に得点をつける
剣士朗は口からピンポン玉を吐き出し、顔を真っ赤にして智明を睨みつけた
「…ざまぁみろ」
智明は尋常でない汗をかきながら、虫の息で剣士朗に向かって微笑んだ
「貴様ぁぁ…」
そう言って剣士朗がラケットを構えたときだった
「もう限界!!」
智明はラケットを放り出し、腹を押さえて走り出した
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