5月

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「智明に用事?」 男子生徒は腹を押さえながら知り合いのように話しかけてくる 「あの…誰ですか?」 菜摘は壁に張り付いたまま、恐る恐るたずねた 「あぁ、俺は智明の友達の祐介。ヨロシク、なっちゃん」 祐介は相変わらず腹を押さえたままだが爽やかに笑って言った 「トモアキって……卓球に出ていた茶髪の?」 菜摘は祐介に今だ警戒したままたずねる 「あぁ、そうそう。ってなっちゃん、智明の名前知らなかったの?」 なっちゃん、なっちゃんって慣れ慣れしいなぁ… 菜摘は少しイラっとして祐介の返事を聞いた そうか… アイツはトモアキというのか… そういや、さっきアイツの周りにいた男子がトモアキ、トモアキ言ってたっけ… トイレの出入口でそんなやり取りをしていると、再び水が流れる音がして、ご本人智明が出てきた
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