5月

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「もう何も出ねぇ…」 智明が顔を青くしながらヨタヨタとトイレから出てきた 「祐介ぇ…ケツの穴がヒリヒリするよ…」 「智明、ケツの穴よりかお客さまだよ」 「あ?…なっちゃん!?」 智明は菜摘に気づくなり、気まずそうに顔をそむけた ありゃ? いつもは呼んでもないのにまとわりついてくるのに… 菜摘は智明の様子を不思議に思い首をかしげる 「あのなぁ…えっとだなぁ…」 「…?」 智明はバツが悪そうに頭をガリガリとかきむしる 「腹の調子が悪くなけりゃ、あんなヤツけちょんけちょんなんだけどよぉ…」 「言い訳はカッコ悪いぞ、智明」 祐介がクスっと笑う 悔しそうに智明がムスッとふくれた あぁ…試合のことか… 菜摘はいつもと違う自信なさげで弱々しい智明に思わずフッと笑いがこぼれた
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