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散らかったノートの中に、スケッチブックが開いて落ちていた
思わず智明はスケッチブックを手にとり眺める
天使が狭い牢獄から大空へ向かって飛び立つ…そんな絵
女の子は何も見えないのか、その場で一生懸命手探りで何かを探す
女の子の足元にメガネが落ちているのを見つけた
「探してるのは、これ?」
智明は女の子にメガネを拾い、差し出した
女の子は慌ててメガネをかけて、智明を見た
あ、この子知ってる
この電車でたまに見かける真面目そうな子
話したことはないが、いつも乗車口付近に立っていて外を眺めている大人しそうな子
「ありがとうございます…」
消え入りそうな声でお礼を言ってうつ向いた
やっぱり大人しい子だなぁ…
しかし、うつ向いた彼女の瞳が何かを見つけて鋭く光った
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