第1話

2/10
前へ
/12ページ
次へ
「レッド。レッド起きてるの??」  俺が身支度をしてる時に部屋の外から母さんの声が聞こえてきた。 「起きてるよ」  俺はフードの付いた赤いマントを羽織ながら部屋の外に出た。ミルクスープの良い香りが立ち込めるリビング。パンの焼けた香ばしい香りも寝起きの空腹には魅力的だ。 「顔を洗ってきなさい。おばあちゃんの所にご飯を届けてきて」   「へーいへい。分かってるよ」  俺はタオルを持って庭の井戸水で顔を洗い、バスケットに入れたご飯を持って家を出た。 「寄り道しちゃ駄目よー」  最後まで心配性な母さんを背後に、俺は慣れた林を抜けていく。  ちなみにバスケットには小型の銃が隠されている。  林では人食いの獣が出てくるから15歳を過ぎたら銃器機の使用が認められてるんだ。ちなみに銃での犯罪は起きないよ。弾にはロットナンバーが刻まれてて、買う時に本人の名前と一緒に登録されるからね。  森に住むおばあちゃんってのは本当の祖母じゃなくて、村で一番年寄りのおばあちゃんだ。身よりは無いけど優しいおばあちゃんで、占いさせたら100発100中するんだ。すげぇだろ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加