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「レッド。レッド起きてるの??」
俺が身支度をしてる時に部屋の外から母さんの声が聞こえてきた。
「起きてるよ」
俺はフードの付いた赤いマントを羽織ながら部屋の外に出た。ミルクスープの良い香りが立ち込めるリビング。パンの焼けた香ばしい香りも寝起きの空腹には魅力的だ。
「顔を洗ってきなさい。おばあちゃんの所にご飯を届けてきて」
「へーいへい。分かってるよ」
俺はタオルを持って庭の井戸水で顔を洗い、バスケットに入れたご飯を持って家を出た。
「寄り道しちゃ駄目よー」
最後まで心配性な母さんを背後に、俺は慣れた林を抜けていく。
ちなみにバスケットには小型の銃が隠されている。
林では人食いの獣が出てくるから15歳を過ぎたら銃器機の使用が認められてるんだ。ちなみに銃での犯罪は起きないよ。弾にはロットナンバーが刻まれてて、買う時に本人の名前と一緒に登録されるからね。
森に住むおばあちゃんってのは本当の祖母じゃなくて、村で一番年寄りのおばあちゃんだ。身よりは無いけど優しいおばあちゃんで、占いさせたら100発100中するんだ。すげぇだろ。
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