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「ぐぁ……あ」
横たわる数人の男達。
多分高校生くらいだろう。制服を着てないから俺の予想。
「てめぇ……誰だよ?ここらじゃ見ねぇ……」
「誰だっていいじゃないですか?それよりもう恐喝なんて古典的な事やめた方がいいですよ?しかも小さい子供から」
この高校生達はぶつかった子供から因縁をつけて金を巻き上げようとした奴等。
それを見たからには見逃す訳にはいかなかった。
「ちっ……しるかよ」
「俺が下手に出てるんですから頭働かせてくださいよ」
「……」
どうやらこっちが本気な事に気づいたのか無言で立ち上がり、高校生達は逃げていった。
終わってみれば結構人目をひいていたようで野次馬ができあがっていた。
絡まれていた子供もお辞儀をして帰っていったし居心地が悪い。
「まいったな……」
さっきの揉め事でこっちも多少なりとも怪我をしていたりもする。
真さんが知ったら『まだまだ雑魚』と言われるな。
野次馬から逃げるようにして路地へと入った俺は当初の目的の場所へと足を進めた。
孤高の天才がいるよろず屋事務所へ。
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