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珍しく夕食を葵と食べた後の帰り道。 十月半ばもあってか日が暮れるのも早くて辺りは暗く、心許ない街灯も灯っていて力無く辺りを照らしている。 そんな時にふと、公園が目に入った。この街にきた頃、よく来ていた公園。 別段若草荘への近道とかでも無く、ただ何となくで中に入った。 感慨にふけるとはよく言うけどそれしか例えようがないのも事実。 懐かしいなぁ、なんて思いながら歩いていた俺は真ん中辺りまできた時に気づいた。 ベンチに誰かが座っているのに。 ベンチの隣には電灯があるので照らされてよく見えるのだが、俺がみるかぎりではその人物は確実に俺の通う中学の制服。 女子だ。 なんでこんな時間にこんなところに座ってんだよ。十月とはいえそれなりに寒いのに。 俺は彼女に近づいていった。 彼女は前髪がかなり長くて目が確認出来ないけど多分寝てるのだろう。その証拠に肩で息してるし寝息たててるし。 「なあ、君さ。こんなとこで寝てると風邪ひくよ?」 肩を揺すってあげると気づいたのか少しの静寂の後、彼女は顔を上げ、俺を見た。 「   」 「ん?」 彼女が何か言ったみたいだけど俺には聞こえなかった。 「お会いできて光栄です、フウタ様」 そう言って彼女は地面に頭がつく程の土下座を俺にした。 「は?!いや!なんで土下座?いや、それよりなんで俺のあだ名知ってんの?」 「それは私がフウタ様の奴隷であり従者ですから」 「はぁ!?」 意味が分からない! 奴隷?従者? 「待てよ!君は一体誰だよ!?」 「私は白峯巫女と申します。今日からフウタ様の下で働かせてもらいます」 「……」 言葉が出なかった。 それほどまで巫女との出会いは衝撃的だったと言える。
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