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『三年の風間太郎!今すぐ職員室にこい!』
急にそんな放送がかかった。
声からして良い事じゃないな、確実に。
「フウタ様。私もお供させていただきたいと思います。フウタ様に降り懸かる火の粉を振り払ってみせましょう」
「ついて来るな。迷惑なんだよ」
出来るだけ鋭い目つきで睨む。
別に悪くはないが俺の近くにいるだけで何かと危ない。
それに白峯にしたってこうやってつきまとってくるのも一時だけだろう。すぐに飽きる。
まだ何か言おうとする白峯を置いて俺はさっさと教室から出る。
早く用事も済ませたいし帰りに葵から次の仕事内容も聞かないといけない。
「失礼します」
挨拶をして職員室に入ると先生達が一斉にこっちに視線を送ってくる。
うわぁ……ここもか。
「風間、こっちだ」
険しい剣幕をした学年主任に呼ばれ、素直に向かう。
「お前何した?」
「なんですかいきなり……」
「白峯さんに何をしたんだ?なんで白峯さんが普通クラスに、しかもお前ピッタリなんだ?」
「は?」
そんなこと俺が聞きたいくらいだ。
「正直に話せ。昨日お前と白峯さんが公園で二人でいたのを見た奴がいるんだよ。他にもお前が喧嘩をしてるって事も幾度となく言われてるんだ。少しでもボロをだしてみろ。即効停学にしてやるからな」
喧嘩じゃないんだけど他から見ればそう見えるのも無理はないか。
それより白峯だ。
一体あいつは何者なんだ?
俺はそれからしばらく叱責をくらうはめになった。
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