ちょっぴり切ない

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「ひとつ聞きたい事があるんだけどさ」 「なんでしょう?」 「木ノ実ちゃんって八時くらいには部屋の明かり消えてるけど何してんの?」 「寝てますよ」 寝てるって早くないか? 今の中学生は普通に十二時過ぎまで起きてる事が多いのに 「早く寝ないとお腹が空きますから。それに朝は新聞配達の仕事もありますので」 健気だ。 健気すぎる。 なんだか泣けてきたぞ。 そして再び本来の目的の勉強へ。 本当に文系教科は苦手ならしく、一問解いては悩み。 一問解いては悩みを繰り返していた。 しかも夏休みの宿題の量も多いらしく、大分弱っている。 「木ノ実ちゃん、大丈夫かな?」 「不思議と大丈夫じゃないですぅ……」 流石にキツイか。 少し息抜きも必要だろうし……さて、どうしたものか。 「木ノ実ちゃん。息抜きに出かけない?」 「さらう気ですか?それとも売る気ですか?」 「違うから!?なんで俺がそんな酷い事するんだよ!」 「失礼しました。故意です」 「わざとかよ!」 「何がですか?」 「わざとじゃない!?」 そういう悪意のあるボケはやめて欲しい。 物凄く対応に困ってしまう。 「じゃあ何ようですか?!」 「なんで木ノ実ちゃんが怒ってるんだよ?!」 駄目だ。ペースを握られてる。 「ふぉっふぉっふぉ。私とデートでもしたいですか?」 「デートというか分からないけどそれに近いな」 そう言うと木ノ実ちゃんは固まった。 「どうしたの?」 「いえ、何も。それでどこに行くのですか?おにーさん」 「秘密だ」
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