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「なんでそんなにムスッとしてんだい?おじさんに話してみなさい」
ニマニマと不気味な笑みを湛えて近づいてくる在方。
顔が近い!顔が!
「別に何もねーよ」
「何もない?ほーお何もないとおっしゃいますか。どーしましょう巫女さん」
モクモクと弁当を食べる箸を止め、話を振られたので数秒停止する。
「私はフウタ様をお守りするのが使命ですから」
恥ずかしげもなく言ってのける辺り本人は真剣なのだろう。
正直なところなんで俺に付き纏うのか聞きたいとこだが教えてくれないだろうし。
それに何を言おうと諦めてくれない気がする。
「……なあ、俺の事どれくらいしってるんだ?」
「色々と」
「じゃあよろず屋は?」
「……」
口を閉ざす二人。
「その沈黙は知っているととっても問題はないよな?」
「はい」
頷く巫女。
「そうか……」
なら
話は早い。
「なあ巫女に在方、今日の放課後に予定とかある?」
「ないよー」
「ありません」
「なら時間少し頂戴」
どーせ付き纏われるのなら。
めい一杯付き纏ってもらおうじゃねえか。
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